よく耳にする「絶対音」。
絶対音感を持っている人を羨ましいと思う方も多いのではないでしょうか。
相対音て何?絶対音と何が違うの?
わが子には絶対に身に付けさせたい!と思う方も多いと思います。
「絶対音」や「相対音」にはどんなメリットがあるのでしょうか。
今回は、そんな音感について説明していきたいと思います。
絶対音感と相対音感の違いをそれぞれ比較
音感とは、高い音や低い音など音の高さを認識する能力をいいます。
音感は誰でも持っている能力ですが、微妙な音階の違いがわかると「音感がいい」と言われるようです。
音感は2つに分類されます。
音感
- 絶対音感
- 相対音感
それぞれの「音感」について説明していきます。
絶対音感
ある音を聴いて、その音を「ドレミ〜」などの音階に置き換えられる能力のことを言います。
例えば、チャイムの音やサイレンの音、ドアをノックする音など、日常で耳にするような音でも「ド」や「レ」などの音で言い当てることができるのです。
絶対音を身に付けるには、適切な時期に訓練することで可能になりますが、必ず訓練をしなくても幼いころから音楽に触れていればある程度は自然に身に付くともいわれています。
相対音感
相対音とは、基準となる音から他の音がどれぐらい離れているのかが認識できる能力になります。
例えば、「ド」の音を聴いた後に「ラ」の音がどれかが分かるということです。
相対音は絶対音と違い、大人になってからでも訓練しても身に付くのです。
絶対音・相対音は何歳までに訓練すればいい?
絶対音感と相対音感の違いを理解したところで、それぞれの訓練に適した時期を紹介していきます。
絶対音の訓練に適した時期
絶対音感を身に付けさせるためには、適切な時期があります。
それは、4〜5歳の時期が最適と言えるでしょう。
人間の感覚の中で最も早く成長して完成するのが「聴覚」なのです。
実はすでに、お母さんのお腹の中にいるときから耳は聞こえています。
よく、「お腹の中の赤ちゃんに話しかけてあげるといい」とか「クラシック音楽を聞かせると胎教にいい」という話を聞いたことがあると思います。
そんな聴覚が発達し始めるのが2歳ごろから。4〜5歳がピークとなり、8歳ごろに聴覚は完成すると言われています。
このようなことから、絶対音の訓練をするのは4〜5歳が最適な時期と言えるのです。
相対音感の訓練に適した時期
幼少期でないと身に付けることができない絶対音感に対して、相対音感は大人になってからでも訓練次第で身に付けることができます。
ほとんどの人が、ある程度の相対音感を持っているのが特徴です。
しかし、訓練をすることでその精度は高めていくことができ、楽器をひいたり、歌を歌うときに役立てることができるのです。
絶対音・相対音のメリットは?
絶対音のメリット
ここでは、絶対音感と相対音感のメリットを解説していきます。
曲を聴いただけでそのまま再現できる(耳コピ)
楽譜を一つ一つ読み込むことをしなくても、曲を聴くだけで演奏することができます。
よく言われていると思いますが「耳コピ」ができるということです。
音に対しての集中力が高いため、暗譜も苦労しないでできるのです。
聴いた音を譜面に書くことができる
「耳コピ」ができるということは、すぐに譜面に書くこともできます。
絶対音感を持っていると、音楽系の試験にはとても有利になると言えるでしょう。
音が違うことにすぐ気づくことができる
音に対しての集中力が高いので、間違えにすぐに気づくことができます。
相対音のメリット
絶対音感と比べると少し劣っているようなイメージを持ってしまうと思いますが、相対音感は絶対音感にはないメリットもあるのです。
転調が簡単にできる
楽器の演奏、歌を歌う際に迷うことなく「転調」ができます。
例えば、カラオケに行ってキーを変えたときに、迷わずにそのキーに合わせて歌うことができるのです。
絶対音感にはないメリットと言えるでしょう。
ハモリがスムーズにできる
歌を歌うときに、上手く「ハモる」ことができるというメリットがあります。
相対音感を鍛えてしっかりと持っていれば、基本の音との距離感を理解できているので、他の音につられることなく「ハモる」ことができるのです。
何歳からでも鍛えることができる
相対音感は誰もが潜在的に持っているものなので、何歳からでも鍛えることができます。
今後、音楽に携わる仕事をしたいという方には、相対音感の訓練はおすすめです。
絶対音感も相対音感もどちらも音感を持つという意味でとても脳に良い刺激を与えています。
絶対音感・相対音感を身に付けるための訓練方法
絶対音感は4歳から5歳までの訓練が有効とされています。
それに対して相対音感は、大人になってから訓練しても身に付きますが、この2つに共通して言えることは、普段から楽器に触れておくことが大切です。
では、絶対音感、相対音感それぞれの訓練方法をご紹介していきます。
絶対音感の訓練方法
絶対音感を身に付けるのは子供です。楽しい雰囲気を作って教えてみましょう。
訓練方法①ピアノやキーボードを使って「ドレミ」で歌って音程を覚えさせる
まず、音の高さや音程を正確に覚えさせることが必要になります。
単音でメロディーを弾いて聴かせたり、ドレミで歌いながら弾くなどをして、音程を覚えさせることです。
訓練方法②音を出して何の音か言わせてみる
少し慣れてきたら、鍵盤で弾いた音はなんの音だったか「ドレミ」で答えさせてみます。
クイズ形式で行ってみましょう。
音あてクイズですね!
訓練方法③一度弾いた音を同じように弾かせてみる
今度は、ピアノで出した音をお子さんに聴かせ、同じようにピアノで弾かせてみましょう。
はじめは単音から、慣れてきたら少しずつ範囲を広げていき、難易度を上げていきます。
音を聴かせる際に、きちんと調律されたピアノで訓練を行うことが大切です。
相対音感の訓練方法
楽譜が読めるようになれば、訓練はどんどん進めていけると思います。
ピアノを使いながら楽しく行ってみましょう。
訓練方法①楽譜を見ながら歌ってみる
メロディーだけを弾きながら歌いましょう。音の高さがだんだん理解できてきます。
自分の好きな歌を歌ってみるとより、楽しく訓練できるでしょう。
訓練方法②音を聴いて何の音かを当てる
絶対音感の訓練と同じになりますが、鍵盤で弾いた音を当てます。
単音から始め、慣れてきたらだんだん難しくしていきましょう。
楽譜が読めれば音を五線紙に書きとるといいです。
リズムを付けた音を聴きとれるようになると、訓練次第では「耳コピ」もできるようになるのです。
特にソルフェージュは実践だけではなく、理論も学んでいくのでおすすめです。
音楽の基礎となるソルフェージュの効果と訓練方法を解説!
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絶対音感・相対音感を訓練して音楽を楽しもう!
今回は絶対音感と相対音感について説明してきました。
絶対音感は限られた年齢のうちに訓練しなければならないのに対し、相対音感は大人になってからでも身に付くということが分かりました。
絶対音感も相対音感も持っていれば音楽に携わっていくうえで大変役に立ちます。
しかし、このような音感を持っていなくても、充分に楽しむことはできますが、絶対音感や相対音感を身に付けさせたい場合は、楽しく学べるような環境づくりをしましょう。
本人が興味を持ちながら学ぶことで、どんどん上達していくのです。
ぜひ、参考にしてください。
・音感を養うためには音楽をたくさん聴くことから!