ピアノのレッスンをしていると、バイエル、ブルグミュラー、ソナチネ、ソナタへと進んでいくのが定番となっています。
ソナタとソナチネって何が違うの?
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
そう、楽譜を見ているとソナチネよりソナタの方が長いと感じるけど、それ以外にはどのような違いがあるのでしょうか。
そこで今回は、ソナタの構成やソナチネとの違いと特徴について解説していきます。
ソナタの意味は?
ソナタは大規模な室内楽曲
ソナタは大規模な室内楽曲で、複数の楽章から成り立っています。
そして、ソナタはイタリア語で「演奏されるもの」という意味で、日本語では奏鳴曲ともよばれているのです。
ソナタが発展した時代
ソナタが発展した時代は以下のような作曲家たちが活躍しました。
時代
- 古典派:ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン
- ロマン派:ショパン・リスト・シューマン
ヘンデルやヴィヴァルディなどバロック時代にもソナタはありましたが、形式の違うソナタであり、一般的には、この古典派、ロマン派のソナタのことをいいます。
ソナタの構成・ソナタ形式
ソナタの構成は、ほとんどが第一楽章から第三楽章か第四楽章まであります。
その中でも、第一楽章はソナタ形式になっています。
このソナタ形式とはいったいどういうものなのでしょうか。
ソナタ形式は曲を聴きやすくするために、曲全体の流れの構成のことで、以下のように成り立っています。
ソナタ形式
- 序奏(大規模なソナタ形式にある)
- 提示部
- 展開部
- 再現部
- コーダ(大規模なソナタ形式にある)
※序奏とコーダは大規模なソナタ形式に用いられ、基本は提示部・展開部・再現部になります。
文章に要点・本文・結論といった構成があるように、音楽にも構成があり、それが上記のようなソナタ形式になっている、と考えてみるとわかるかと思います。
ソナタ形式①提示部
この提示部では主題(テーマ)が提示されます。
提示部での主題は2つあり、第一主題と第ニ主題とよんでいます。
提示部
- 第一主題:楽曲の主となる調(主調)で始まる
- 第二楽章:第一主題から転調する
この2つの主題、第一主題と第二主題は対比しています。
- 第一主題が長調の場合…第二主題は属調(完全5度上の調)
- 第一主題が短調の場合…第二主題は平行調(音階の構成が同じ調)
したがって、第一主題に対して第ニ主題は曲の雰囲気がガラッと変わるといってもいいでしょう。
最初は明るい感じの曲だと思ったら、今度は急に悲しい感じになったりしますよね。
ソナタ形式②展開部
展開部は曲のクライマックスと言える大事な部分です。
主題を発展させ、楽曲が転調して大きく変化し、曲全体を盛り上げていきます。
これ以上にないぐらい、盛り上がりを見せた後、再現部へと引き継がれていくのです。
ソナタ形式③再現部
曲としてまとめの部分にあたります。
基本的には提示部と同じなのですが、転調はせずに主調で演奏されることがほとんどです。
展開部で盛り上がりをみせたあとに、再現部で第一主題と第二主題が一つになって落ち着いた、というイメージですね。
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ソナチネの意味は?
ソナチネは小さなソナタ
まず簡単に言うとソナチネは「小さなソナタ」。
「sonata」の語尾に「ine」をつけて小さいという意味をもち、日本語でソナタが奏鳴曲なのに対して、ソナチネは小奏鳴曲になります。
ソナチネは初級でも弾きやすくできている
ソナチネは3つの構成からなるソナタ形式が短く簡略化されているために、初中級者向けに弾きやすくなっています。
したがって、このソナチネは「クーラウ」や「クレメンティ」によって作曲され、これからピアノを学んでいく人達のためにつくられた小規模なソナタといえます。
このようにソナチネは、難易度が低めでピアノ学習向けの教材「ソナチネ・アルバム」として活躍しているのです。
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ソナタとソナチネの違いを知って新しい楽しみを見つけよう
ソナタには第一楽章にソナタ形式が組み込まれていることが分かりました。
これからソナタを演奏するときにソナタ形式のことを意識してみると、今までとは違った見解で楽しめると思います。
そして、そんなソナタの小規模なものがソナチネだったとは、また新たにクラシックの良さを知ることができたのではないでしょうか。
ぜひ、参考にしてみてください。