ピアノをしばらく弾いていない、そんな時に調律のことを考えたことはあるでしょうか。
ピアノを弾いてなければ、調律しなくてもいいでしょ。
それは実はピアノにとっていいことではないのです。
ピアノはとてもデリケートな楽器なので、弾かない期間があっても調律してあげないといけません。
この記事の内容
- ピアノを調律しないとどんなことが起こるのか
- どのくらいの頻度で調律すればいいのか
- どんな管理をすればいいのか
この2点について解説していきます。
ピアノを弾いていくにあたっては大事なことなので、ぜひ最後までご覧ください。
弾かないピアノを調律しないとどんなことが起こる?
ここでは、ピアノの調律をしなかったことで起こる影響を3つまとめてみました。
①弦が劣化してくる
ピアノの弦は「ミュージックワイヤー」と呼ばれますが、ピアノを弾くと弦はハンマーに叩かれ、弦に負担がかかっていきます。
その結果、弦が伸びていき、音が変わってきてしまうのです。
弦は炭素銅という金属でできているので、湿度が高い部屋に置いておくと錆びてしまいます。
②ハンマーが劣化してくる
ピアノはハンマーが弦を叩き、音を出す仕組みになっています。
しかし、ピアノを多く弾いているうちにハンマーがつぶれてしまったり、固くなることで劣化していき、音が狂ってしまう原因に。
また、柔らかい羊毛でできたハンマーは虫食いにあってしまうこともあります。
ハンマーについているフェルトが虫に食われてしまうと、音が悪くなってしまう原因に!
③温度や湿度の変化による影響で音が狂ってくる
ピアノは温度や湿度の影響を受けやすい楽器です。
一年中変化のない快適な気候であれば、劣化も早く進まないですみますが、気温や湿度が急激に変化する季節の変わり目がくると、劣化が早く進み、音が変わってきてしまうのです。
湿度が高すぎると(60%〜)故障の原因にも!
このように、ピアノを常に正常な状態に保っていないと弾き心地が悪くなってしまうのです
ピアノの調律頻度はどのくらい?
では、ピアノはどのぐらいの頻度で調律するといいのでしょうか。
以下はだいたいの目安です。
調律の頻度は
- 新しいピアノ:年に数回
- 数年経ったピアノ:一年に一回
これらは、あくまでも目安であり、一日に弾く時間や頻度によって調律の回数も変わってきます
新しいピアノの調律頻度は年に2回〜3回
新しいピアノは弦の張力が大きいため、まだ安定していない状態です。
したがって弾き心地も安定しません。
新しいピアノがくると、とてもうれしいですよね。でも、もう少し手をかけてあげないと慣れてこないのです。
購入して2年ぐらいは一年に数回の頻度で調律しましょう。
ピアノ調律の内容と手順・調律は自分でやっていいの?
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数年経ったピアノの調律頻度は年に1回
2年以上経ったピアノは、コンスタントに1回は調律します。
使っている頻度にもよりますが、毎日何時間も弾く場合は、その分弦が早くゆるくなるので年に2回ぐらいがいいですね。
ピアノは弾けば引くほど調律の頻度が多くなるのです。
ぜひ、ピアノの仕組みについての記事を参考にしてください。
グランドピアノとアップライトピアノの違い・仕組みについて解説!
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10年ぐらい弾かなかったピアノの調律は?
10年たっても調律をすればピアノは弾けます。
ずっと弾かずに放置してあるピアノは、調律しなくてもいい?と思うかもしれません。
しかし、弾いていなくても少しずつ部品が劣化していき、音もずれていってしまうのです。
ピアノは何十年たっても内部を定期的に調律していれば弾ける
10年も調律していないピアノを調律するのには1回では困難とされ、少しずつ数年かけて調律していくのです。
もし、音が出なかったり鍵盤の戻りが遅い場合は修理が必要になります。
修理についてはこちらの記事で紹介しています。
ピアノを弾いていない時の管理方法は?
ピアノの劣化を早めないような管理方法をご紹介していきます。
湿気を避けるように管理する
ピアノは人間と同じような環境を好むといっても過言ではありません。
例えば梅雨の時期は、ジメジメとして過ごしにくい気候だし、体調を崩すこともあると思います。
また、冬の乾燥する時期は肌がカサカサしたり、風邪をひきやすいですね。
これはピアノも同じです。
湿度が高いと湿気がこもってしまい、金属である弦が錆びやすくなってきます。
また、ハンマーのフェルトや木の部分にカビが生えてくるようになってくるので、可能であれば湿気の多い時期は除湿器を上手く使って、50%前後になるように調節するのがベストです。
また、天気のいいときは換気をして風通しをよくしてあげましょう。
気温は15度から25度・湿度は50%前後が快適な環境です。
空調が直接当たらないように管理する
空調が直接当たらないように管理しましょう。
ピアノは実は乾燥にも弱いのです。
空調の乾いた風が当たることよって、内部の部品がゆるむ、木の部分が収縮するなどの変化を起こし、結果的に音がずれていってしまいます。
注意点としては
直接長時間日の当たる場所に置かない
結露を起こしやすい窓際に置かない
このように、できる限り気温や湿度の変化を抑えて管理しましょう。
ピアノは弾かなくても調律はしよう!
ピアノはこまめにチェックして、調律は年に1〜2回はするといいでしょう。
また、何年も弾いていないピアノでも、気候の変化で劣化は進んでいるのです。
したがって、1年か2年に1回は調律をして、いつまでも元気な状態を保ってあげましょう。
しっかりとメンテナンスをすることで、いつまでもピアノは生き続けるのです。